元カレと再恋愛ってありですか?
奏介は遠慮なく紗那の口にスプーンを近づける。
ためらいながら少し紗那が口を開けるとそこに奏介がスプーンを入れた。

奏介がじっと紗那を見ている。
紗那は一瞬眉間にしわを寄せたものの次第に目を見開いた。
「おいしい」
「だろう?」
「うん!」

「俺の手にかかれば紗那の嫌いなトマトだってこんなもんだよ。」
「すごい!おいしい!」
「だろ?よかった」
紗那の笑顔に奏介も笑顔になる。

紗那は思い出していた。

昔、まだ奏介が料理が趣味程度の時、トマトが嫌いな紗那が何とかしてトマトが食べられないかと考えて作ってくれたパスタの味を思い出した。
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