元カレと再恋愛ってありですか?
止まったらだめだ。
今までがんばった頑張ったのがなかったことになる。
これまでの努力が、水の泡になる。

紗那は何かに脅迫されているかのような鬼気迫る表情でベッドから降りようとして一歩踏み出そうとした。
『ガタンッ!』
「紗那っ」
紗那の気持ちとは裏腹に全く足に力が入らなかった。

紗那は見事にベッドから落ちた。
腕につないでいた点滴が外れてしまい、アラームが鳴る。

「紗那。」
奏介はすぐに床にぺたんと座り込むようになった紗那の肩を抱いた。
「過労で一週間は安静が必要だ。」
「そんなに休めない」
「休まないとだめだ。紗那。」
「いやだ」
「紗那」
「だめ。休んだらダメなの!」
まだ鬼気迫る顔をしている紗那の体を奏介は抱きしめた。
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