元カレと再恋愛ってありですか?
「でも今日も、もう深夜ですよ?」
「え?本当だ。佐々木さん、早く戻って。遅くしちゃってごめんなさい」
紗那のチームは全員年下の社員で編成されていた。まだ社に入ってから一年しかたっていない新人もいる。でも、チームの団結力は高いほうで、紗那を支えようとやる気は皆十分にあることが紗那の大きな支えだった。
「いつもごめんね。気を付けて帰ってね。」
紗那の言葉に佐々木は頭を下げて帰宅した。

紗那のチームのフロアにはもう、紗那しか残っていなかった。

大きく深呼吸をしてから再びチームの一人が作った模型の手直しをしようとしていると、「毎度ありがとうございます。」と後ろから声がかかった。
「え?」
紗那が振り返るとそこには奏介が立っていた。
「特別デリバリーです」
手に持っている紙袋を紗那に見せながら奏介が笑っていた。
「腹、減ってないか?」
その言葉に紗那も笑顔になる。
「ぺこぺこ!」
紗那の元気な返事に奏介は安心したように微笑んだ。
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