元カレと再恋愛ってありですか?
二人はそれから12年前に戻ったかのような時間を過ごした。

熱いラザニアを分けて食べあう。

あまりの熱さに顔をゆがめる紗那を見て笑う奏介。

そんな奏介を見ながら微笑む紗那。

「なんでいつもつけんだよ」
紗那の口についているソースを指で拭くと、奏介は笑った。
「泥にトマトソースに、いつも何かしらつけてんなお前は。」
恥ずかしくなって自分の唇を拭く紗那。
「でも、変わったな。」
「ん?」
いつも紗那のことを昔と変わらないと言っていた奏介からの意外な言葉に紗那が聞き返す。

「変わったよ。いい意味で深みを増したな。」
「どういう意味?」
「味がでたって意味だよ。」
「・・・奏介もね」
二人は見つめ合い、また笑いあった。
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