オオカミ様VS王子様 ~私を賭けたラブゲーム~
蓮人さんにちゃんと謝らないと。

蓮人さんと話したいこと、いっぱいあるんだ

から。

家に着いてインターホンを鳴らすけど、中か

らは何の音もしなくて。

「いないのかな…。」

私はその場にしゃがんで、蓮人さんの帰りを

待とうとしたけど。

「もしかして…!」

蓮人さんが今いそうな場所が思い浮かんだ私

はすぐに駆け出す。

もしも、蓮人さんも龍也さんから同じ話を聞

いてるとしたら。

もしも今、私と同じことを考えているとした

ら。

自分の家に向かって必死に走ると。

「ももっ!」

ずっと聞きたかった声。ずっと会いたかった

人。

「お前今まで何し…!!」

私の体は止まることなく、蓮人さんの胸に飛

びついた。

「ごめんなさい。」

「本当にお前は、オレに心配かけるのが得意

なんだな。」

冗談めかして言いながらも、私の体を包む両

腕はやっぱり温かくて。

「私、蓮人さんが綺麗な女の人といるの見

て、勝手にやきもち妬いてて…。」

蓮人さんの胸に顔を埋めたまま、言葉を紡い

でいく。

「こんな嫌なところ知られたくなくて…。嫌

われるのが怖くて…。」

自分が思っていたよりもずっと強く、蓮人さ

んが好きだったんだ。

今、あなたに一番伝えたいのは。

「蓮人さんが大好きです。」

気持ちを伝えた瞬間に、私を抱く腕に力が込

められたのがわかる。

「ほんと、困るんだけど。」

「えっ?」
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