オオカミ様VS王子様 ~私を賭けたラブゲーム~
ほんとにこいつは…。

どれだけオレの心を奪えば気が済むんだろ

う。

「キスしたいんだけど。」

「へっ!?」

オレの言葉に驚いて顔をあげたももの柔らか

い唇に、オレのそれも重ねる。

あぁ。ももを前にすると、気持ちが簡単に揺

さぶられる。可愛すぎて、止められない。

触れ合った唇を名残惜しくも離していく。

「あ、あの…。」

ん?ももが俯きながらモゾモゾしている。

いきなりキスして驚いているのか?

ももの手がオレの服をぎゅっと掴んで、目を

潤ませながら言う。

「もっと…したい…です…。」

消えてしまいそうな声だけど、はっきり聞こ

えた。

それはさすがにずるいだろ…。

「なーに?ちゃんと大きい声で言ってみろ

よ。」

ももが困るのを知っていながらも、意地悪し

たくなる。

「もっと…!蓮人のキス…ほしいです…。」

「よくできました。」

ご褒美のキス。なんてただの言い訳だ。

オレがしたいだけ。オレを求めるももが可愛

すぎて、我慢なんてできるわけない。

なんでこんなに可愛いんだよ…。

「ももだけが好きだから。絶対手放さないか

ら。」

「私も蓮人だけが好き…です…!」

照れながらもまっすぐに答えてくれるももと

の幸せを抱きしめて、守り抜こうと誓った。
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