オオカミ様VS王子様 ~私を賭けたラブゲーム~
「実はお母さん、私に彼氏できたこと知って

て、反対してないって言ってたんです。」

蓮人にも、龍也さんにも話していなかったこ

と。

「よかったね。ももちゃん、蓮人。」

龍也さんは嬉しそうに微笑んで私たちの頭を

撫でる。

お母さんからの電話で、家族がどれだけ私を

大切に想ってくれているか、お母さんがどれ

だけ私を心配しているか知った。過保護だっ

てずっと思っていたけど、私の幸せを誰より

も願ってくれているのは家族なんだ。

「私もちゃんと認めてもらいたい。」

蓮人は私が初めて好きになった人だから。大

好きな家族にも知ってほしい。蓮人のことも

蓮人を好きになった私のことも。

「ほんとにロマンチストだねぇ。オレが入る

隙もなさそうだ。」

少しだけ寂しそうに笑う龍也さんに胸が痛

む。

「当たり前だろ。ももは誰にも渡すつもりな

いから。」

蓮人は私の肩をぎゅっと抱いて、自信満々の

笑みを浮かべている。蓮人のこの一言だけで

簡単に胸が騒いでしまうくらい、私の心はあ

なたでいっぱいなの。だから私も。

「蓮人も私から離れないでね?」

こんなことを言えるのは、蓮人の甘さが私に

も少しだけうつったからかもしれない。

そんなことを考えながら、この先にある幸福

を信じて笑い合った。

それから2週間後、テストが終わった次の休

日。

「もも、大丈夫か。」

「だ、大丈夫…です…。」
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