オオカミ様VS王子様 ~私を賭けたラブゲーム~
惚気話って…。二人にだけは言われたくない

んだけど…。そう言いたくなる気持ちは胸の

奥にしまって、バイトに向かった。

そして迎えた蓮人の誕生日。

今日は一日おうちデート。私が蓮人に思いっ

きり甘えることが一番喜ぶと龍也さんが助言

してくれた。その言葉に大いに賛成した聖菜

は、いつもと違う雰囲気の髪型と服装をすれ

ば、いつもクールな蓮人でも、ドキドキを隠

せないはず!とのこと。

ということで、髪は緩く巻いてツインテール

にして、白いニットを身に纏い、仕上げにコ

ーラルピンクのリップを付けて完成!

私は何度も姿見で確認してから、蓮人へのプ

レゼントを持って蓮人の部屋へ向かった。

見慣れた部屋のドアの前で深呼吸をして、イ

ンターホンを鳴らす。

ドアを開けてくれた蓮人の顔を見ると、愛し

さがこみあげてくる。

「蓮人、お誕生日おめでとうっ!」

その言葉と同時に、プレゼントが入った紙袋

を手渡した。

「ありがとう。開けていい?」

「うんっ!」

喜んでくれるといいなぁ。蓮人の反応が気に

なって、じーっと見てしまう。

私が選んだシンプルな黒の腕時計をすぐに腕

につけると、その腕に閉じ込められた。

「ありがとう、もも。すげぇ嬉しい…。」

私も蓮人の背中に腕を回して、二人で抱きし

め合った。

それから、二人でランチを作ることにした。

「蓮人の野菜スープ、どうやって作ってる

の?」
< 157 / 185 >

この作品をシェア

pagetop