オオカミ様VS王子様 ~私を賭けたラブゲーム~
第1章 一人暮らし始めました。

運命の出逢い…?

「ちゃんと掃除、洗濯をすること。あと、自

炊もね。週に一回は電話すること。夏休みと

冬休みは帰ってくること。それから……」

「わかったってば!」

夢の東京での一人暮らし。お母さんは次から

次へと約束を取り付ける。

16歳の私、白河ももは、これから始まる初

めてだらけの毎日に期待を抱いた。

「最後にもう一つ。これが一番大事なこと

だ。」

お父さんが真剣な顔で私を真っ直ぐ見つめ

る。

一番大事……?なんだろう。

「男性との無断交際禁止。」

はい?何かの聞き間違い?

今、交際禁止って言いました?

「お父さん。今、交際禁止って言った?」

「交際禁止とは言ってない。」

やっぱり聞き間違いか…。

「無断交際禁止。」

なんだ…。無断交際禁止か…。ってどういう

こと!?

「付き合いたい人ができたらお父さんに会わ

せなさい。ももは勉強しに東京に来たんだか

ら当然だろう。」

確かに勉強しに来たんだけどさ。

高校ってもっと、「青春」って感じじゃない

のかね。

そんなことを思いつつも、お父さんの強い眼

差しに勝てるわけもなくて。

私の青春は始まる前に終わった……。

引っ越しが一通り終わって、夕方ごろにはお

父さんとお母さんは新幹線で帰ってしまっ

た。

憧れの一人暮らしがついに始まる。ウキウキ

でいっぱいかと思っていたけど。
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