オオカミ様VS王子様 ~私を賭けたラブゲーム~
そのくせ、すぐ動揺する。

焦った顔も、ごはんを食べているときも可愛

くて。

ももの隣を歩きながら、わかったんだ。

これが初恋なんだって。

次の日、朝から龍也に呼ばれて、カフェに向

かった。

理由はなんとなくわかっている。

「ももちゃんだよね。蓮人の初恋。」

「龍也もそうなんだろ。一目惚れのバイトっ

て。」

なんでなんだ。

オレのことをこんなに考えてくれてた龍也と

好きな奴が被るなんて。

漫画でも見たことねぇよ。

「悪い、龍也。オレは諦められねぇ。」

ももは渡したくねぇ。

相手がたとえ、龍也でも。

「なんだよそれ。」

真剣なオレとはまるであべこべな反応。

「オレもももちゃんのこと本気だよ?」

いつもと変わらない顔で宣戦布告する龍也。

「お互い、どっちが勝っても文句なしだ

ね。」

龍也の言葉にオレはただ、力強く頷いた。

それからオレは、頻繁にももと会うようにな

り、ももは少しずつ、学校でのことや、家族

のことを話してくれるようになった。

まぁ、まだ片想いだけどな。

先生。

オレは18歳の春。恋をした。

先生の願い、オレが叶えてみせるよ。
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