上司の過去と部下の秘密〜隠れ御曹司は本気の恋を逃さない〜
「いただきます。」

美味しそうなうどんと天ぷらを前にした、明日香の興奮が伝わってくる。

「美味しい!!ねえ、しおり」

「本当。どこのお店も、このお店の美味しさには敵わないもん」

大袈裟じゃなくて本当にそう思うほど、彰さんのうどんは絶品だ。

「おう、ありがとう。それにしても、しおりも大きくなったなあ。すっかり可愛くなっちまって。明日香もべっぴんだし。なあ、哲平。光達が見たら、騒ぎ出しそうだな」

〝光〟というのは、〝ひかり〟でも〝みつ〟でもない。〝らいと〟といって、彰さんの息子で、以前はそれなりにやんちゃだった知人だ。最近はどうしているのか知らないけど。

「光にはやらんぞ。まあ、2人とも東京にいて目が肥えてるだろうから、俺が言うまでもなく、光には目も向けなさそうだけどな」

「ひっでぇ。光だって、今は真面目にやってるし、それなりに見れた顔だぜ」

「それは認める。けどよぉ、これまでの手癖が悪すぎだ」

「反論できねぇ……」

若い女2人の前で、堂々とこういう話をするのはやめて欲しい。

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