上司の過去と部下の秘密〜隠れ御曹司は本気の恋を逃さない〜
「……私は……私は、三上さんが怖いんです」

「えっ!?俺が?俺、羽場ちゃんに何かしたっけ?いや、こうやって強引に連れ出したり、羽場ちゃんのプライベートを探ったりしてるけど……ご、ごめん」

「い、いえ。そういうことではないんです。すみません。私……私も、三上さんのことが好きですよ。あれだけぐいぐい来られたら、私だって心が動かされます」

思いの外、さらっと言えてしまった。

「羽場ちゃん!!」

おもわずといった感じで、三上さんが抱きついてくる。

「でも……やっぱり怖いんです」

三上さんは体を離して、俯く私の顔を覗き込んだ。

「何がそんなに怖いんだ?」

私の真意を窺うように、じっと見つめてくる。



周りには、私達以外に誰もいない。
打ち寄せる波と、海鳥の鳴き声と、時折通りすぎていく車の音だけが聞こえてくる。





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