上司の過去と部下の秘密〜隠れ御曹司は本気の恋を逃さない〜
無事に挙式を終えて、家族写真や涼介さんとのツーショット写真を撮影してもらい、メインイベントは終了した。
やっとラフな服装に着替えて、ホテルの一室で一息ついていた。

「しおり、大丈夫か?」

「うん。家族だけとはいえ、疲れたね」

「食事は30分後だから、それまで少し休もう」


そして、約束の10分前。
涼介さんと連れ立って、予約したレストランへ向かった。

「三上様ですね。お連れ様はもういらっしゃってます」

日本人スタッフに案内されて、個室へ向かった。

「こちらになります。ごゆっくりどうぞ」

扉を開けて絶句した。
両親達も疲れただろうなあ……なんて呑気に思っていたけど……


奴らは元気だった。


室内は、お祝い会というより、単なる飲み会と化していた。

「おお、しおりに涼介。早く来い!!」

アルコールでますます声が大きくなった哲平さんが、ご機嫌で手招きしてくる。

「しおりちゃーん!!綺麗だったよ!!」

社長まで……
ていうか、いつもは〝しおりさん〟って呼んでましたよね?

< 277 / 286 >

この作品をシェア

pagetop