隣の席でキミと秘密の甘い恋【完】
こんな気持ち、気づきたくなかった…はぁ……。



朝桐はただの友達で、ただの隣の住人だ。



それ以上でもそれ以下でもない。



……こうやって自分に言い聞かせていないと、いつか歯止めが利かなくなる。



今日の……朝桐を抱えた時は、まじでやばかった……。



心臓が痛いくらい鼓動を打って、朝桐の顔が見れなかった。



……バレてない、よな……?

平然を装うので必死だったけど……。



日に日に俺の中で、朝桐の存在が大きくなってることは確かだ。



……教室で朝桐に友達だからって言われた時、何故かイラっとした。

しかもそれを本人に言っちゃってるし……。



それを仕返しするように、朝桐にも友達だからって言ってやったのに。

結局自分で、ウソだってバラしちゃってるし…。

まぁ、あの様子じゃ気づいてないみたいだったけど。



俺は…自分の気持ちが分からない。

どうしたいのか、何をしたいのか分からない。



……だけど、こんな状況でも確かなことはある。



いまは、もうすこし……朝桐を見ていたい。



朝桐の目に、俺を映していてほしい。
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