隣の席でキミと秘密の甘い恋【完】
チラリとコースへ目を向けると、みんな大きなものを抱えて、必死に歩いてる。



えーっと、あれは…脚立に、テーブル…それに、大玉転がしで使った玉を運んでる人もいる。

どうやら私はラッキーなことに、みんなヘビー級の重さの借り物を引き当てたみたいなんだね……。



よろよろしながらゆっくり歩いてるし、このままダッシュでゴールに向かえば逆転できるかも!



「それじゃ、俺たちも行こっか?朝桐さん」


「へ?あ、うんっ」



急に名前を呼ぶから、ビックリした…っ。

って、いまは、そんなこと言ってる場合じゃないよね。



いざ、一緒に走ろうとした瞬間、アナウンスの声がかかる。



「え~、イケメンも借り物になりますので、どちらかが抱えて運んでいただかなければないので、頑張ってくださいね~!ちなみに、おんぶでも抱っこでも、足がついてなければ、なんでも大丈夫ですよ~」


「えええええっ!?」



ワッツ!?いま、なんとおっしゃいました!?

お、おんぶ…?抱っこ…?



……むりむりむり!

そんなの出来っこないよ……!



まったく、ありえないっ!学校行事でなんてことをさせようとしてるんだ。

PTAに訴えられても、知らないからね!!



「朝桐さん?どうした?」


「その、せっかく出てくれたのに申し訳ないんだけど、やっぱ無理かな~って…」


「え、なんで?」



なんでって……。

いまの話ちゃんと聞いてた?

どっちかが、おんぶか抱っこして走らないとダメなんだよ……?



「朝桐さん軽そうだし、俺が運んであげるっ」


「えっ……!むりむり!ダメだよ…!私、重いし、迷惑かけちゃうよ」
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