エリート御曹司は溺甘パパでした~結婚前より熱く愛されています~
翌日、和宏は朝から絶好調。
「浅海さん、おはよー。朝だよ。起きなさい!」
いつもお寝坊さんのくせして、宏希さんを起こすという役割を与えたら張り切っている。
優しくではなく、ドアをドンドン叩いて命令口調で起こしている声がキッチンの私のところまで聞こえてきて、目が点になった。
一方でそれが私の口調そのものなので、よく聞いているんだなと噴き出した。
「和宏。浅海さんは疲れてるの。もっと優しく起こして」
「だってママも疲れてるのに起きてるでしょ?」
慌てて寝室の前まで行きたしなめるも、彼はあたり前の顔をして言う。
「和宏くんおはよう。その通りだ。ママは偉いなぁ」
部屋から出てきた宏希さんは、和宏を抱き上げてそう口にする。
まるで家族団らんのような光景に頬が緩んだ。
それから三人で朝食だ。
家政婦として雇われているのに、こうして同じ食卓を囲ませてもらえてありがたい。