エリート御曹司は溺甘パパでした~結婚前より熱く愛されています~
週明けの月曜。
宏希さんは私の記憶が戻らないまま退院が決まった。
追加で様々な検査をしたものの、その原因はわからないようだ。
私のことを認識できない彼に近づくことができず、お母さまに付き添われて実家に戻っていく様子を、ただ遠くから眺めることしかできなかった。
「宏希さん……」
ここにあなたと私の赤ちゃんがいるのに。
赤ちゃんはあっという間に大きくなる。
どうしたらいいの?
この先の不安で頭がいっぱいで、私はあれから泣き暮らしている。
そんな私を心配した沖さんから提案されて、会社も休んでしまった。
宏希さんの広いマンションでただ時が過ぎるのを呆然として待つだけ。
大きなベッドにひとりでは寂しくて眠ることすらできない。
その日の夜、突然チャイムが鳴り、お父さまが訪ねてきた。
リビングに通してコーヒーを用意したが、緊張で体が震えて、カップがカチャカチャと音を立てる。