側にいて


三十秒もしない内にモニターの音が乱れ始めた。

「涙?」

刹那がすぐに気がついて涙の顔を覗き込む。

だけどその瞬間、心臓をギュッと掴まれた

ような痛みを感じた。

「んぅっ!」

そのとたんモニターが異常を伝えビーッビーッ

と警告音を鳴らし始めた。

「ッ涙!」

刹那が慌てて処置に当たる。

甫も智也も和泉も慌てて涙に近寄った。

荒い呼吸を繰り返する涙。

「涙ちゃん聞こえるー?大丈夫だからねー?」

そう言いながら涙の手を握る智也。

「酸素マスクに変えて!」

そう指示するのは刹那。

刹那の指示に動くのは和泉。

そして体を縮めて苦しむ涙の背中を撫でるのは

甫。

ナースコールを押した刹那は。

「ICU、牙城 涙 心臓発作。注射持ってきて。」

刹那の言う注射は発作を押さえるための薬。

一分もしない内にバタバタと看護師たちが入って

きて刹那は注射器を受け取った。

「涙ちゃん、薬入るからねー。苦しいと思うけど

ちょっとじっとしててねー。」

その注射は心臓発作は止めるが副作用に発熱と

嘔吐がある。体力があまり無い涙にはあまり

使わないようにしているのだか今回の発作は

余りにも大きすぎる。

それに、解熱剤や喘息の発作止めの薬も点滴で

入っているのでいつもと同じ薬は使えないのだ。
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