陰の王子様
そう言うと、またニヤニヤと笑うナバ殿
未来の王妃
…それは、俺が彼女を妃として迎えると同時に、クロードを王位継承権から外すということ。
グッと体に力が入る。
2つとも長年目標にしてきたことだ。
それを実現する時が来ている。
「ありがとうございます。このお礼は必ず。」
「酒じゃ。それ以外は受け付けんぞ。」
「はい。では、失礼します。」
案外早く出て来た主
「イオ様、何かお分かりに?」
「ナバ殿がいた。レティシアのことはナバ殿に任せる。」
その表情はすでに先を見ていた。
「エレン・ウィザリアの可能性がある。」
「……エレン様ですか。」
確かに。エレン様が彼女を狙う理由は無いことはない。
……思いがけなくして、この方の本懐が達成される時が来たのか。