陰の王子様
「オレリア様とクロード王子は仲がよろしいのですか?」
「何、突然、嫉妬?大丈夫よ〜。私、あんな自己中男嫌いだし。それに、クロードには欲しい女がいたからね。」
そう言うとブツブツと何か呟いていた。
「何ですか?」
彼女の声が聞こえず自然に距離が近くなる。
「うふふ。シンアの髪フワフワだわ。ねえ、キスして。」
「…質問に答えてくれたらしますよ?」
そしたら、嬉しそうに笑い、興奮気味に言った。
「ロベール国とウィザリア王国の国境付近にいた女に惚れたのよクロードは。でも、見事に振られて、クロードはその女が憎くなった。そして、女がいた土地を襲わせたわ。」
ふぅっと一口飲んだ彼女から続けられたのは、
「まあ、私もその女が目障りでね。もともと私がクロードに愚痴ってたら、急にクロードが俺のものにするって言い始めちゃって。それからは大変だったわ。」