陰の王子様






『スズミ、レティシアを頼む。後宮は俺以外の男は入れない。だから、彼女を常に守れるのはスズミにしか頼めない。…どうか、彼女が気に病むことがないよう、よろしく頼む。』




この女の戦場ともいえる後宮でお嬢様が、傷つかない可能性の方が低い。



何かしら他の御令嬢の方々から誘いがくるはず。




王子がお嬢様を迎えに来る、その時まで。
この女の戦場で耐えなければいけない。



「早く私の大切なお嬢様を迎えに来てくださいよ、王子」




お茶を片付け、未だにクローゼットの前で悩んでいるお嬢様の元に駆け寄る。




「スズ、もっと地味なのない?」

「んー、そうですね。奥の方に…。」






表に並んで立つ、お似合いのお2人を見られる。

そう遠くない未来を夢見て。






< 314 / 383 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop