陰の王子様





昨日の綺麗なドレス姿も、はっきり頭に残っている。


恥ずかしそうに笑う姿も、俺の格好を見て赤くなる姿も。

夜の、艶のある色っぽい姿も。





「はぁー……。」



色々思い出し、もうどうにでもなれと、引っ付いているレティシアを抱きしめる。




さっきまでの何倍もレティシアの柔らかさを感じるが、もういい。

ジェハもゆっくりしていいと言っていたんだ。



長年抑えていた欲を、昨夜完全に解放したことでおかしくなっていた。



未だに熟睡しているレティシアを気遣いながら、手は出さず、抱きしめるだけにとどめる。




すると、レティシアの手がゆっくりと俺の背中を辿っていく。

慌ててレティシアを見るが、しっかり熟睡していた。



「はあ、……やばいな。」



ぞくりと感じた背中

手は出さないと決めたが、仕返ししてやりたくて細い腰をツーっとなぞれば、


「んっ……。」


色っぽい声が返ってきた。




< 362 / 383 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop