陰の王子様
昨日の綺麗なドレス姿も、はっきり頭に残っている。
恥ずかしそうに笑う姿も、俺の格好を見て赤くなる姿も。
夜の、艶のある色っぽい姿も。
「はぁー……。」
色々思い出し、もうどうにでもなれと、引っ付いているレティシアを抱きしめる。
さっきまでの何倍もレティシアの柔らかさを感じるが、もういい。
ジェハもゆっくりしていいと言っていたんだ。
長年抑えていた欲を、昨夜完全に解放したことでおかしくなっていた。
未だに熟睡しているレティシアを気遣いながら、手は出さず、抱きしめるだけにとどめる。
すると、レティシアの手がゆっくりと俺の背中を辿っていく。
慌ててレティシアを見るが、しっかり熟睡していた。
「はあ、……やばいな。」
ぞくりと感じた背中
手は出さないと決めたが、仕返ししてやりたくて細い腰をツーっとなぞれば、
「んっ……。」
色っぽい声が返ってきた。