陰の王子様



「適当に交代しながら警備にあたって。必ず2人以上で行動すること。何をするにも1人になったらダメだからね。」



数時間ほど王子たちを待っていた我々の元にやって来たのはサンチェさん

ローガンさんと比べるとだいぶ砕けた人だが、騎士たちからは慕われている。




もちろん自分も尊敬している。



「あっ!シンア〜、久しぶりー。少しは強くなった?」


ニヤリと意地悪そうな笑みを浮かべるサンチェさん

「…もちろん。今度こそサンチェさんに勝ってみせます。」



「おー!それは楽しみだ。」



本当にそうは思っていない顔が腹立たしい。
しかし、実際にサンチェさんに勝負を挑んで、勝ったことは1度もない。


サンチェさんは人の隙をつくのが上手い。
さっきのように、対戦中もわざと相手を煽り、そこでできた隙を瞬時につく。

気をつけていても煽られてしまうほどに口が上手い。




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