陰の王子様
「俺、トイレ行ってくるわ。」
「おう。」
騎士用のテントが張られたところの近くにある、木の下でアキと休んでいた。
どこかに向かうアキに気づき、声をかけた騎士たちも何人か一緒について行っている。
「綺麗だな…。」
ここは星がたくさん見える。
木の幹にもたれ、ボーッと星を眺めていると、
「おい、お前。騎士だろ。」
不意にかかった声に、バッと上体を起こす。
そこには、村の人間が一人いた。
「何か御用ですか。」
「こっち来て酒の相手しろってクロード様が言ってる。」
酒の相手…?
意味が分からず警戒していると、
「早く来いよ!俺が怒られるだろ!」
手を掴まれ、ズンズンと進んでいく。