1日限定両想い
「開けてええか。」
『はい。』
静かにカーテンを開くと、須崎がベッドに座っていた。
季節は梅雨に入り、夏服を着始める生徒がほとんどの中で須崎はまだ長袖のままだ。
それでもまた痩せたような気がする。
「いつから起きてた。」
『残って様子見てるって先生が言ったところです。』
ついさっきだ。
ということは、親に連絡がいくことは知らない。
なんとなく、須崎はそのことを嫌がる気がした。
『菊池先生に電話すれば良かった。』
「え?」
俯いたままつぶやかれた言葉に、須崎の表情が少しゆがむ。
それが涙をこらえているように見えて、無意識に一歩距離を縮めていた。
少しだけ開かれたカーテンの隙間からその中に入ってしまう形になり、一瞬動揺したのは俺だけで。
『新田先生に変なとこ見せてしまう前に、菊池先生に電話してれば良かった…。』
俯いたままの須崎は何も気付いていないように続ける。
新田に抱えられていた須崎。
取り乱してしまったことや、それが新田の前だったことを悔やんでいるようだった。