1日限定両想い
だからこそ離れる。
そのつらさが、苦しみが、痛い程に心に刺さる。
教師と生徒として出会ってしまったばっかりに、封じ込めるしかなくなった想い。
通わせることすら許されなかった気持ち。
その全てをひとりで抱えたまま、菊池先生は去っていく。
須崎には何も告げずに。
「菊池先生がいなくなったら須崎は…」
『なんでお前が泣いてんねん。』
呆れたように笑う菊池先生を見て、自分が泣いていることに気付いた。
菊池先生がいなくなったら、須崎が頼れる人がいなくなってしまう。
簡単に人に頼れるような子じゃない須崎が、唯一寄りかかれたのが菊池先生だったのに。
たかが、教師と生徒というだけで。
「須崎の傍にいてあげてくださいよ。」
『無理や。』
菊池先生に負けたくないと思っていた。
須崎を救うのは自分でありたかった。
でも今は、そんな思いが嘘だったかのように必死だった。
菊池先生の言葉を須崎に聞かせてあげたい。
須崎の寂しそうな表情を菊池先生に見せてあげたい。