1日限定両想い

「先生、眼鏡変えたんですね。」

『え?』


今日もどことなく思い詰めた表情をしている新田先生と、何気ない話をしたくなった。



「フレームが黒縁になってる。」

『あぁ、前の壊れてさ。とりあえずな。』

「おしゃれですね。」

『そうか?初めて言われたわ。』


照れくさそうに笑いながら眼鏡を外して、そっとレンズを拭く仕草をただ見つめる。


綺麗な顔だなと改めて思った。

だから最初は近寄りがたくて、いけすかない感じの人だと思っていた。

女子生徒から人気だけど、私はむしろ苦手だと思っていたときもあって。


だけど今は。


何も話さずにいても、気持ちが通じ合えているような気がする。



「新田先生。」

『ん?』

「私、もう大丈夫です。」

『え?』


眼鏡を外したことで気が緩んでいたのか、簡単な相槌が返ってくる。

再び眼鏡をかけた新田先生の不思議そうな表情と視線が合って、自然と笑みがこぼれる。



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