秘密の片想い
前の借りを返すために、日を改めてランチに来ていた。
事前に調べたらしい三嶋に、連れてこられたのは中華料理店の個室。
ここを払わされるのかと、少しだけ文句を言いたくなる。
それでも美味しい料理に舌鼓を打ち、あとはデザートだけ、という時になると、三嶋は姿勢を正して私に話し始めた。
「次に会えたら、絶対に言おうと思っていた」
「なに、を」
ただならぬ空気を感じ、私も姿勢を正す。
やっぱり、罵詈雑言を浴びせられるのかな。
そんな想像をしていると、三嶋には珍しく緊張気味の声で続けた。
「前は、気まずくなるのを恐れていた」
思っていなかった展開を感じ、胸は早鐘を打つ。
その先を聞きたくないのに、けれど聞いてしまいたい気持ちも綯い交ぜになって、胸が苦しくなる。
三嶋はテーブルの上に置いた手を組んで、続けた。
「でも、もう後悔はしたくないんだ。負け戦だって、わかっててもね」
真っ直ぐに見つめられ、目を逸らせない。
緊張から、喉がカラカラに乾いていく。