愛は惜しみなく与う④
まぁそうだかど…
なんかお前目立ってるみたいだし。
蕪木泉って俺でさえ聞いたことあるんだから…


『もう俺大丈夫だから。放っておいて』


そう
突然こいつがきたからビックリしただけで、よくよく考えれば、これを切り抜けたところで、帰る場所もない

あんなところ

俺の家なんかじゃないから


『寂しそうだな、お前』

『……そうかも。』

そう言われて、普段なら、お前何言ってんだ?って言ってたと思う
でも今は納得した。

そうか、俺は寂しいんだな



『俺が家族になってやるよ』


……は?
痛くない方の腕を引っ張られ、俺は泉の肩に腕を回す形になる


すぐ横を見ると、泉の顔がある



『帰るぞ』



そう言われた時、何故か涙が出た

この時は正直泉の家に行くなんて思ってなかった

こいつが何言ってんのかなんて、理解してなかった。


でもなんだろう


帰るぞって言われて、泣けてきた



『ってことで、まだ用ある?』

チンピラをみて泉は言うが、悔しそうに視線を逸らした


よいしょとランドセルを片手に、もう片手に俺を背負って


泉は歩き出した
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