愛は惜しみなく与う④
「こうなると分かってるのに、我慢できない朔は、どうしたものでしょうか。自制心がないんですかね?」


淡々と新が分析するが、惨め感が増すだけ


こんなアイスひとつの小さな事で、ごちゃごちゃ言い合えるようになったのは、朔と色々あったあの日から1週間経った頃や


正直あの後は大変とか、そんな言葉で片付けれるもんじゃなかった

精神的に疲れたというかなんというか…



あたしは頭使いすぎたんか、5日ほど熱で寝込んだ


ちょっとさ?色々物事が起こりすぎたから、身体がキャパオーバーやったんや


「もう大丈夫か?」


今日もマドリカまで迎えにきてくれた泉は、こんな暑い中帰ってきたのに、汗さえかいてない。

毛穴あんのか?


「どうした?しんどいのか?」

「いや、なんでもない!もう復活した!」


ようやく昨日熱が下がり、バイトに行ってみた。知恵熱みたいなもんやし、熱が下がれば身体は元気や


「なんか、ドカっと疲れのたまる、波乱な夏休みになっちゃったね」

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