俺のこと好きでしょ?-六花の恋-【完】
+++

「―――――」

渡されたテストの成績表を、自分の席についてそっと開けた。

そこにあったのは――

「うわ悔しっ。司に負けるとかー」

わざわざ私の席まで来た唯浜が、私の頭の上からぶつくさ言っている。

「唯浜!」

私は勢いよく唯浜を振り仰いだ。唯浜は面喰ったあと顔をしかめる。

「なんだよ。勝利宣言か?」

「ありがとう!」

「……は?」

「唯浜に対抗心出来ていつもより頑張れた! だからありがとう!」

唯浜が私のライバルになってくれたから、ここまで頑張れたのは本当だ。

その唯浜は私を茶化すではなく、苦笑した。

「……はいはい。そりゃよかった」

「うん!」

今だったら世界中の人にだって笑顔を振り向けることが出来る気持ちの私と苦笑いする唯浜を、水都ちゃんが複雑そうな顔で見ていたことに、浮かれ頭な私はとうとう気づかなかった。

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