俺のこと好きでしょ?-六花の恋-【完】
「美結さん?」
そう言えば美結さんも……
「事情知った美結が、「総真が「うー」って呼ばないなら、私が「うーちゃん」って呼んじゃおうかなあ」とか言いだして、なんかそれも腹立って、呼び方戻った。美結も「うーちゃん」って呼ぶようになっちゃったけど」
「美結様」
思わず胸の前でこぶしを握ってしまった。
両手を組んで美結さんを崇めたかったけど、片手は総真くんと一緒だからこぶしを握る形になった。
美結さん様様だ。
そんな経緯があったなんて知らなかった。
「うちのお父さんもお母さんも、なんも言わなかったでしょ?」
私のことを総真くんがどう呼んでも、気にしない両親だと思うけど。
「んー……うーが泣きやまなかったとき、晃さんに「うーって呼べ!」って怒られた」
「お父さんらしいわ」
むしろ呼ぶことを推奨していた。
玲くんの心配は杞憂だったというわけか。
「でも、呼ばなかった」
呼ばなかったんか。
「……総真くん、結構頑固だよね。確かにそれなら、私が振り回してる。三分の二は玲くんな気がするけど。……それ以外に困ったことないの?」