俺のこと好きでしょ?-六花の恋-【完】

「………ごめん」

玲から、ここまで詳細に聞いたのは初めてだ。

今まで話す気にならなかったのか、僕が話すに値しなかったのかはわからないけど……。

「だから俺は、今度は必ず、俺が彼女を幸せにするんだって決めてる。俺の生き方は、そう決めた」

凛然と言い放った玲。

……玲はいつもブレない。芯があって、決して折れない。

その芯となっているのが、前世の彼女ってことなんだろうか……。

「こわくないのか?」

「喪うことが?」

「……うん」

現に、前世の玲は恋人を亡くしている。

それなのに、また逢いたいと思える心が正直わからない。

「こわい……な。うん。怖い。でも、前に『俺』が彼女を喪ったように、彼女も死ぬ瞬間に『俺』を喪っているんだ。……どんな形であれ、生きていればいつかは離れる。それが怖いからって、一緒の気持ちがあるのに一緒にいない方が、俺は怖い。……いつか、後悔することがわかっているから」

――前世の玲は、後悔したんだ。

どんな手を使ってでも、添い遂げなかったことを。

玲はぽつぽつと続ける。

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