みだらなキミと、密室で。

あれから、カフェや海の周辺を遥琉とぐるぐる歩き回って、日が沈みかけた頃、電車に揺られてマンションに着けば、辺りは暗くなっていて。

お腹もいい感じに空いてきて、我ながら自分の食欲が怖くなる。

あれだけもう食べられないって思っていたのに。
バイトを始めてから食欲が前以上に増した気がする。

「あの、本当にお邪魔していいのかな?」

「なんだそれ。昔はしょっちゅう行き来してたじゃん」

マンションのエレベーターに乗り込んで扉が閉まる。

この時間はやっぱりどうしても緊張してしまうな。

この間、遥琉にキスされたこともそうだけれど、狭い空間で完全にふたりきり。

変に意識しちゃって、さっきまで外でガハガハ笑い合ってたのが嘘みたいに思う。
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