みだらなキミと、密室で。

「もう昔とは違うから、」

「……」

『6階です ドアが開きます』

結局、今日一日、遥琉のペースにのまれて、なんだかんだ私も楽しくなっちゃって、聞きたいこと聞きそびれてばかり。

しかも、まるで7年の空白はなかったみたいに平然と思い出話をしだすもんだから、こっちだって混乱してしまう。

どうしてあの日、遥琉は、いつもの公園に来なかったの。

どうしてあの日以来、私を避けるようになったの?

私のことを嫌いでそうなったのなら、なんで今更、不必要に絡んでくるの?

聞きたいのに、聞けない。

聞いちゃったら、今日のことも、ただの思い出だって片付けられてしまって、また、話せなくなってしまうんじゃないかって。

嫌いでもうどうでもいいって口先ではいくらでも言えるけど、なんだかんだ気になって、ドキドキして。

どうしたら正解なのかがわからない。
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