みだらなキミと、密室で。

「嘘ついたのとあいつを好きになった罰」

そう呟いた伊月さんに、頭を手でしっかりと固定されてしまい、身動きが完全に取れなくなってしまった。

ヤバイ。

男の人ってこんなに力が強いんだ。

初めて知った。

全然敵わないんだと。

「……あの、伊月さ──」

カシャッ

はっ?

キスされる、と思った。

その直後、なぜか近くでシャッター音が鳴った。

恐る恐る顔をあげると、伊月さんは満足そうにスマホの中を見ていて。

もしかして……騙された?

それに、写真……。

「傑作。完全にチューしてるようにしかみえな〜い!」

「ちょっ……」

伊月さんがスマホ画面をこちらに向けると、その中には、私と伊月さんが写っている。

彼がいうように、画面の中の私たちはそうみえて。

嘘でしょ……。

なによ、これ。

なんでこんなことする必要があるわけ?

「意味わかんないです、消してくださいよ!」

「フッ、そんなに消してほしいなら消してあげるよ。海風ちゃんが俺のお願いを聞いてくれるならね」

伊月さんは挑発的な笑みで、そう言った。
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