みだらなキミと、密室で。
どっちにしろ、遥琉は乃々歌ちゃんに向かって、私のことは女として見てないってあの時はっきりとそう言った。
それなのに、突然付き合わないのかなんて、どういうことなんだろう。
「ごめん、乃々歌ちゃん。私、中学の頃、ふたりが放課後、教室で話しているの聞いたんだ」
「えっ……な、何を?」
乃々歌ちゃんがあからさまに焦ったような困ったような顔を見せる。
「遥琉が、私のこと、女として見てないって乃々歌ちゃんに言ってたの」
「嘘……え、じ、じゃあそのあとの会話も……」
「え、そのあと?」
たしか、遥琉のそのセルフを聞いたあとすぐ、ショックのあまりその場を走って後にした。
「もしかして、そこだけしか聞いてないの?」
「え、うん」
私がそう答えれば、まるで、あの時の会話には続きがあったと言いいたげな表情をする乃々歌ちゃん。
「あ、あのね、海風。私、海風に話さないといけないことがあるの」
乃々歌ちゃんはそう言って、ミルクティーを一口飲んでからポツリポツリと話し出した。