みだらなキミと、密室で。
*
「ふわぁ〜」
「相変わらず眠そうね」
いつものように遅刻ギリギリで学校に着いて自分の席で大きなあくびをすれば、
私の席の前に座る親友の朝日 依茉ちゃんがこちらを振り返った。
相変わらず朝から眩しいほどの美女すぎて、失明するかと思ったよ。
「ふふっ、眠り姫とお呼び」
「海風のどこに姫要素あるの。どちらかといえばナマケモノ」
「うぅ、依茉ちゃん朝から辛辣〜」
可愛い子に『姫』を否定されちゃそりゃちょっとは傷つくよ。
「いいじゃない。ナマケモノ可愛いし。私は好きよナマケモノ」
「うっ、もう〜!依茉ちゃんったら〜!えへへ」
『依茉ちゃんにとってナマケモノは可愛い=私は依茉ちゃんにとって可愛い!』
そういうことだよね?!
我ながら気持ち悪い笑みが溢れてしまう。
ほんとこの子、私のことを持ち上げるのが上手いんだ。
罪な女だよまったく。