みだらなキミと、密室で。

「止まった」

「えっ?!」

横から聞こえた声に、思わず声を出して顔を上げると

バチッと視線が絡んでしまい、すぐにそらす。

シンプルなモノトーンコーデにミルクティーベージュに染められたストレートヘア。

そして、ムカつくくらい変わらない、生まれつきの茶色い瞳。

嫌いなのに、変にドキッとしてしまうのは、私の知ってる有馬 遥琉じゃないから。

変わってしまった彼と、今更どう接したらいいのかわからない。

ってか!!
こいつ今なんて言った?!

止まった?!

止まったって言った?!

何が?!

「な、何が?」

恐る恐る目を合わせないように顔だけを少し彼の方へと向ける。

幸いなことに、小4の頃私より小さかったはずの遥琉は、今や、私が顔を上に向けないと顔が見えないぐらい背が高くなっている。

私の身長が158㎝。

少なくともこいつは175㎝以上はありそう。

腹立つな。

人のこと見下して。(見下してない)
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