みだらなキミと、密室で。

「見てわからない?エレベーター。止まってる」

「……嘘」

え、エレベーターが?
止まってる?

どゆこと?

遥琉と数年ぶりに会話したことにも突然驚いているし気まずさ半端ないけど、

そんなことよりも、エレベーターが止まったかもしれないってことへの驚きの方が上回る。

エレベーターの階数が表示される画面を見れば、【4】の表示で止まっているし、もちろんエレベーター自体も動いてる気配がまるでない。

嘘、え、本当に止まっちゃってるの?!

こういう時、どうすればいいんだっけ?!

すぐにズボンのポケットに入れていたスマホを取り出して、対処法を調べようと試みる。

「……何してんの」

久しぶりに会話したのに、まるでなんでもないみたいに話しかけてくる遥琉にまたイラッとする。

緊張とか、少しはしないのかね。

7年ぶりよ、7年ぶり。

そりゃ小中高ずっと一緒で、それこそマンションでもすれ違ったりエレベーターで一緒になることはあったけどさ。

こんな風にふたりきりになることなんてなかったから。
< 33 / 300 >

この作品をシェア

pagetop