再会~俺のONLY ONE ~何があっても離さない~
泣きそうな気分だった。

先輩の受注を喜ばないといけないのに…

今日の夜、クリスマスイブなのに…

先輩が、帰ってくるのに…


そしてさらに追い打ちをかけるようなこと…


そして、先輩が帰ってくるのに間に合うように、早く帰ろうと定時すぎに会社を出た。

エレベーターに乗り込んだときのことだ。

乗り込んだら、ぎょっとした。
管理部のお姉さま方がたくさんのっていたのだ。
この間トイレでわたしの悪口を言っていた人たち。

大方クリスマスイブだからカレシとデートの人が多いのだろう。
おしゃれなキラキラ女子たち。
ひきかえ、わたしは普段どおりの地味な装い。

「コイツさぁ。むかつかない?」

「やめなよぉ。じゅり。」

「だって。イブにこの地味さだよ。こんなんが久世くんと噂になること自体ムカつくっての。」

くすくすくすと笑い声。

女しかいないエレベーターだから言いたい放題だ。

結局、何もいえないわたしをずっとわらっていたエレベーターは1Fについた。

「まぁ身の程知れってかんじ。」

じゅりと呼ばれていた管理部の女ボス松田じゅりは上から目線でそう言うと、わたしの肩にドンっと当たってエレベーターを降りて行った。
そしてそれにひきつづき降りていく子分たち。

泣きそう…

とぼとぼと歩きながら、なんとか涙は我慢した。

会えるから…
今日会えるもん。

泣かない…

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