再会～俺のONLY ONE ～何があっても離さない～

◇

「おいっ！菜莉。」

翔くんは帰社するなり、大慌てでわたしのところにやってきた。

夕方帰社した営業さんたちでいっぱいだったオフィスは一瞬静まり返った。

「ほんとに大丈夫なんだな？どこも怪我してねーな。」

その前にLINEは何度も来ていた。

『無事なのか？』
『ちゃんと仕事できてるんだな？』
『夕方まで俺仕事してても大丈夫なんだな？』

って…

で、今。

「大丈夫。体はピンピン。」

立ち上がって足踏みもしてみたりして…

「なんだ？どうかしたのか？」

先輩の営業マンがこちらに向いて聞いてくれた。

「管理部の女が菜莉を突き飛ばしたんっすよ。どう思います？」

「え？管理部って松田じゅり？」

「と、その取り巻き達ですよ。ほら。」

と、翔くんが動画を先輩達に見せ始める。

「うわっ。えぐっ。」