再会~俺のONLY ONE ~何があっても離さない~


「松嶋さん、おごらせてよ。」

「いや、だからいいって。」

この間からしつこい菅野くん。

「だから俺の気が収まらねーの。」

久々に残業もなく会社を出ようとしたとこで、菅野くんのおごるよ攻撃。

「久世さんと付き合ってんのは知ってるからなんもしねーって言ってんのに。」

「そういう問題じゃないでしょ?」

くるりと後ろを向いて菅野くんに向き直った。

会社のビルを出たところだ。

「そういう問題なんだろ?」

「ちがうから。この間のミスはわたしのせいだから、菅野くんがどうこう思わなくていいの。だから、久世さんのこととは関係ないこと。」

そしてくるりとまた前を向き、歩き始めた。
後ろは振り返らない。

「なんだよ。他の男と飯も食いに行けねーよーな男やめとけって!」

ちょっとおっきな声で叫んでるけど、無視…

そのままわたしは振り向かず、その場を去った。

だから…そのあと、菅野くんに高橋さんが意味ありげに声をかけていたことなど…知る由もなかった。


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