天然美女との過ごし方(仮)

空side

あいつ……もう許せない……

桜のことこんなに傷つけて……

あんなにやせ細って

あんなにか細い声になって

あんなに思い詰めて

あの時に戻っちゃってるじゃない

せっかくあんたのおかげで桜はたくさん笑うようになったのにあんたのせいで悲しませてどうするのよ

わたしは太陽に初めていらつき、こんな幼なじみなんだったら大っ嫌いだって思った


だから


『ねぇ!太陽!』

桜が飛び出した私たちの教室のど真ん中

太陽の元へと行き怒鳴った

まだ太陽の名前しか呼んでないけどみんなはびっくりしている

でもそんなのお構い無し

『……なんだよ』

『いい加減にしなさいよ!目を覚ませ!』

……バチンっ

気づいたらビンタまでしていたんだから

『……なっ!?』

『桜がどんどんやせ細ってるの一緒に住んでて知らないとは言わせないわよ!どんどん悪い方に考えてて、お父さんに虐待されてたのだって自分が悪い子だからだって思ってるんだからね?!あんたが離れたのだって……』

『あいつ飯食ってねーのかよ?母さんが作った弁当いつも空っぽになってるし……虐待だって桜は何も悪くないし俺だって……ヘタレなだけで……桜は悪い子じゃないのに』

『桜いつも風にお弁当あげてた。だから今日こそは何か食べさせなきゃって思っておばさんのお弁当箱開けたらフルーツとか消化にいい食べ物ばかりだった。おばさんだって桜が食べてないこと気づいてるのよ?!あんたは桜の何を見てたのよ!』

『……空ごめんな、俺が桜の弁当食ってたから』

『あんたはいいのよ、桜が無理矢理頼んだんだろうから』

『おい、太陽。お前の親友だからこそ言うぞ。もっと桜を見てやれよ。お前は桜は悪くないって思っててもあの鈍感な桜が自分は悪くないって思うわけがないじゃん』

『桜にはあんたしかいないのよ!……桜には言わないでって口止めされてたけど、あの子あんたが一番好きないちごみるくの飴……同じの買って舐めてたんだよ?唯一……太陽くんと距離が近くなる魔法って』

『……っ』

『分かったら早く桜のとこ行ってやれよ』

『……空、風ありがとな』

……全く世話がやけるやつ
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