一生、俺のそばにいて~エリート御曹司が余命宣告された幼なじみを世界一幸せな花嫁にするまで~
告白しても全く相手にされないのがわかっているから、私の気持ちは彼には伝えていない。
でも、私の家族や彼の家族にはバレバレのようで、兄には『あれは女たらしだからやめておけ』とか、彼の父親には『璃子ちゃんが嫁に来てくれたら嬉しいなあ』なんて言われる。
明日私が彼のところに押しかけ女房するのも、互いの家族が話し合って決まったようだ。
そんな話になったのは、私にとある事情があるから。
彼の母親に『璃子ちゃん、匡のことお願いね』とニコニコ笑顔で頼まれた時は、天にも昇るような気持ちだった。
匡のそばにいられるんだ。
大人になってから、彼に会う機会は減ってしまった。
匡は都内のマンションでひとり暮らしをしているし、仕事も多忙のようで、会うのはせいぜい正月くらい。
他の男性を好きになろうと努力したこともあるけど、恋って自分の思い通りにはいかないもの。
匡以外の男性に目がいかないし、興味も持てない。
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