一生、俺のそばにいて~エリート御曹司が余命宣告された幼なじみを世界一幸せな花嫁にするまで~
俺に深く追及されたくないのか、彼女はすぐに話を逸らした。
「その予定だったが先方の都合で中止になったんだ。で、長谷川に家に送ってもらう途中でスーパーに入って行くお前を見つけたんだよ。多分、長谷川からお前に連絡いってるんじゃないかな」
俺の話を聞いて、璃子はバッグからスマホを取り出す。
「ホントだ。長谷川さんからライン来てる。バッグに入れておいたから気づかなかった」

そう。三十分程前に長谷川に電話が入って『今日の接待はなりなりました』と報告を受けた。
それで副社長室で仕事をしようとしたら、長谷川が俺に言ったのだ。
『今日は金曜ですし、家に帰ってゆっくりされてはいかがですか。璃子さんもいることですし』
いつもなら“決済待ちの書類の処理をしろ”とか煩く言うのに珍しい。
『璃子といえば、お前昨日すでに親父から話を聞いていて知っていたんだろう?なぜ俺に内緒にしてた?』
俺の質問に長谷川は澄まし顔で答える。
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