一生、俺のそばにいて~エリート御曹司が余命宣告された幼なじみを世界一幸せな花嫁にするまで~
『社長に匡様には内密にと言われまして』
こいつは有能な奴なのだが、結構いい性格をしている。
『お前は自分が誰の秘書か忘れてるだろ?』
スーッと目を細めてそんな皮肉を口にすれば、長谷川はフッと微笑した。
『匡様の秘書ですが、会社のトップは社長ですので。それに、私が伝えては璃子さんに会う喜びが半減するでしょう?』
親父も璃子のことをどう長谷川に話したのか?
絶対に俺の女とか思ってるだろ?
『妹に久々に会うようなものだ。別に特別なことじゃない』
冷淡に返すが、こいつは楽しげに俺を弄る。
『それにしては、今朝恋人のように見えましたけどね』
ニヤリとする長谷川の発言にギョッとした。
『恋人って……俺はあいつのオムツだって替えたことがあるんだぞ』
『女の子の成長は早いんですよ。それに、六歳差なら充分恋愛対象です』
恋愛対象……って、それは今二十二歳の子に会えばの話だ。
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