一生、俺のそばにいて~エリート御曹司が余命宣告された幼なじみを世界一幸せな花嫁にするまで~
匡がラーメンをすすりながら悪戯っぽく目を光らせる。
「失礼ね。たまたまよ。だって、中学の修学旅行はずっと晴れてたもん」
そう主張するが彼は疑いの眼差しを私に向ける。
「それは晴れ男と晴れ女がたくさんいたからじゃないのか」
「匡の修学旅行だって雨に降られたそうじゃないのよ」
匡に負けじとやり返すと、彼は反論した。
「それは京介が雨男だからだ」
「匡が雨男なんじゃないの?」
そんなくだらない言い合いをする私達。
彼のお陰でいつもの自分に戻れたのだけど、いざベッドに横になるとまた緊張してきた。
匡もベッドにやってきて私の隣に寝そべる。
それであまりに動揺した私はベッドのスイッチに触れてしまった。
ゆっくりと円を描くように動き出すベッド。
「え?え?なんでベッドが動くの?」
呆気に取られる私とは対照的に、匡はハハッと大笑いする。
「噂には聞いたことあるけど、これが回転ベッドなんだな。初めて見た」
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