一生、俺のそばにいて~エリート御曹司が余命宣告された幼なじみを世界一幸せな花嫁にするまで~
ベッドのスイッチを切る彼に尋ねた。
「これのなにが楽しいの?」
「さあ。俺にも理解出来ないな。俺は疲れたから寝る」
匡は欠伸をしながら布団を被ると、目を閉じた。
しばらくすると彼の静かな寝息が聞こえてきて、自然と笑みが零れる。
「ずっと運転してきたんだもん。そりゃあ疲れるよね」
しかも、あの雨の中峠を運転してきたのだから、相当神経を使ったはずだ。
でも、彼は文句ひとつ言わなかった。
どうしよう。
愛おしさが込み上げてきて、彼に触れたくなった。
彼が好き。誰よりもーー。
「匡、お疲れさま」
彼に顔を近づけ、その唇にそっと口づける。
匡は寝ているから気づかない。
このキスは、私だけの秘密だ。
彼の寝顔を見てフッと微笑むと、私も布団を被って眠りについた。
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