俺の妻は本当に可愛い~恋のリハビリから俺様社長に結婚を迫られています~
自分の鈍感さに呆れるとともに、居たたまれなさが溢れてくる。

血の気の引きかけた私に前会長が優しく話しかけてくださった。


「黙っていて悪かったねえ」

「いえっ、前会長とは存じ上げずにご迷惑をおかけしてしまって……」

「いやいや、私はそのままの沙和ちゃんが大好きだから、どうか今まで通りでいてほしい。お祖父さんにも昔からずっと口止めをお願いしていたんだから。また一緒に庭園を散歩してもらえたら嬉しいよ」

「は、はい……! 私でよかったら喜んで」

そのありがたい申し出に心がじんわりと温かくなってくる。


ちなみに城崎、というのは愁さんのお祖母様の旧姓だそうだ。

そのお祖母様と愁さんのご両親も後からこちらに来られる予定だ。


「……沙和は俺のものですけどね。お祖父様はお祖母様と散歩されたらいいんじゃないですか?」

拗ねたような声が近くから聞こえてくる。


「いやあね、おめでたい席で。狭量な男は嫌われるわよ?」

からかうような頼子さんの声に、愁さんが眉間に軽く皺を寄せている。


当の私はどうしてよいかわからず狼狽えてしまう。
< 226 / 227 >

この作品をシェア

pagetop